本書の内容
第1章「TikZで始める」はTikZ入門だ。他のグラフィックスパッケージと比較してTikZの利点を論じる。TikZとは何かという全体像と独特の哲学を理解する。TikZをインストールする方法を学び、簡単な図を作成していく。さらに、TikZや他のパッケージのマニュアルなどを参照するための役立つヒントが得られる。
第2章「TikZで最初の画像を作る」では、LaTeX文書を一から作る。TikZの構文を理解して、2 次元および3 次元のデカルト座標と極座標を学ぶ。さらに、基本的な多角形の作り方、画像での色の使い方を学ぶ。
第3章「ノードの位置決めと描画」ではノードという基本的概念を与える。様々な形態のノードを位置決めして並べ、テキスト、画像、ラベルを追加する方法を学ぶ。
第4章「辺と矢印を描く」では、ノードの間を辺、直線、曲線、矢印でつなぐ方法を示す。辺にテキストラベルをつける方法や並べ方、位置、方向を調整する方法を学ぶ。線のスタイルや矢頭の形状をカスタマイズしたり両方向にする方法も学ぶ。
第5章「スタイルと画像の読み込み」では、TikZ要素をグローバルまたはローカルなstyleで定義して使う方法を学ぶ。ノードと辺でスタイルを使う方法とスコープを使って画像全体や画像の一部に対してスタイルを適用する方法を学ぶ。さらに、ミニTikZ画像を他の画像の構成要素として使う方法も学ぶ。
第6章「木とグラフの描画」では、親子の階層関係を表す木構造を作る方法を示す。アイデアを可視化するマインドマップの描き方やグラフを生成する簡潔な構文を与える。さらに、LaTeXのtabular環境と同様な行列形式にオブジェクトを配置する方法も示す。/p>
第7章「塗りつぶし、クリッピング、シェーディング」では、より高度な技法から始める。複雑なパスで塗りつぶす方法、特定の領域の画像をクリップしたり、ある色から別の色になめらかに色を変える方法を学ぶ。
第8章「パスの豊かな表現」では、線を曲げたりジグザグにしたり波打たせるようなクリエイティブな効果を加える技法を学ぶ。テキストを曲線に沿わせたり、1 つのパスに複数の作用を適用する方法も学ぶ。
第9章「レイヤー、オーバーレイ、透明性を使う」では、様々なレイヤーに描画して、オブジェクトをテキストや画像の背後に置く方法を学ぶ。透明性を使ってこの効果を上げる方法も学ぶ。さらに、TikZのビジュアルな注釈を通常のLaTeX文書にスーパーインポーズしたり、透かしのような背景画像を追加したりする方法を学ぶ。
第10章「座標とパスで計算する」では、TikZで座標値を計算する効率的な方法を示す。この章は座標計算、距離や射影を使った座標の計算、パスの交点の計算を扱う。また、repeatコマンドでループしてコードを簡単にする方法を学ぶ。
第11章「座標とキャンバスを変換する」では、変換による移動、回転、拡大縮小に焦点を絞る。図に対してちょっとした手直しや複雑な変更を加える必要がある場合に、適切な調整や位置変更ができるスキルを学ぶ。
第12章「なめらかな曲線を描く」では簡単な曲線の曲がりを変えたり、なめらかにして角の尖りをなくし、手書きのように簡単に曲線を描く様々な方法を学ぶ。
第13章「2Dおよび3Dでのプロット」では、座標系でデータをプロットする方法を扱う。2Dおよび3Dでデカルト座標と極座標の座標軸のカスタマイズ、凡例の追加、パラメトリック曲線のプロット、プロットの交点の計算、プロットの間の色塗りを扱う。
第14章「各種チャートを描く」では、フローチャート、関係図、説明図、数量を表す図の作り方を学ぶ。図全体を自動的に作れるようにパッケージの活用法を学ぶ。
第15章「TikZで楽しもう」では、スキルの高いTikZユーザが追加パッケージのプログラミングを楽しみTikZコミュニティでシェアする方法などを列挙する。かわいい動物、人物、国旗、パズルやゲームを描画する方法も学ぶ。